cio賢人倶楽部 ご挨拶

活動内容

CIO賢人倶楽部 第28回本会開催報告

テーマ:企業を取り巻くITのトレンド

更新: 2016年4月7日

スポンサーセッション(講演/質疑)
「KPMG CIOサーベイ2015について」

  • レポート掲載URL:
    http://www.kpmg.com/Jp/ja/knowledge/Pages/cfo-survey2016-jp.aspx
  • 調査期間は2015年1月6日~4月19日、30ヶ国の3691名より回答を得た
  • デジタル化によって、ネット販売のような従来とまったく違うビジネスやその仕組みが登場してきた。これをデジタルによる創造的破壊(デジタルディスラプション)と表現している。このレポートは、そのような環境の中でCIOはどうしていくべきかを記述したもの
  • デジタル化を推進しているのは誰かという設問では、CMOという回答が最も多い
  • このレポートでは、デジタル化されているのは一部であって、全体のITを俯瞰して繋げていくことができるのはやはりCIOだという整理をしている
  • P.7では、デジタル化の推進にあたっての、社内での阻害要因について示している。特に、リスクの許容、組織上の課題の2点についてコメントしている
  • P.8では、絶対の答えは無いものの、以下の手順を踏んでいけば比較的うまくいくのではないかという考えを「CIOが行うべき6つのステップ」として提示している
  • その1番目の項目として、経営層の啓蒙を行うことを挙げており、その例として「リバースメンターシッププログラム」を紹介している。

  • 2番目では、当たり前のことが書かれているが、プロジェクト管理のできる人材が不足しているという状況がある。
  • 3番目では、デジタルアーキタテクチャの構築があげられている。既存の仕組みが既にあることを前提としてクラウドも利用し、連携を図りながらの基盤整備を提案している。
  • 4番目では、ソーシングという言葉で、ITが「作る」ものから「買ってくる」ものに変わったことを示している。
  • 5番目では、コラボレーション、イノベーション、スピードを重視する組織文化の醸成を示している。
  • 6番目には、デジタルを組み込んだITガバナンスの構築を挙げている。ただ、デジタルに限らず、戦略的なIT投資をするときに必要なことである。

(意見等)

  • 日本の特徴として、インハウスにエンジニアがあまりいないこと、ITリテラシーが低いこと、あまりCMOを置いていないこと、等がある。
  • 例えばビッグデータを読み取り、ストーリーを作る人材等、これまでになかった分野の人材が必要になってきているがトレーニングでは育成できず、外部採用が必要である。
  • IT部門の中にセキュリティやコンプラアンスのエキスパートを保持しておくことも、今後は必要。
  • セキュリティの専門家等を外部から採用しても、入社した時点から、その人のテクノロジー能力が伸びないという問題がある。
  • 企業全体でITリテラシーが上がり、事業側からITを使って何をしたいという要望がでるが、IT部門は、それをどのようにすりあわせるかが重要である。IoTはその最たる例であり、自動運転についても、車の自動運転だけなら、車の責任で済むが、それをネットに繋げて、もし事故があった際に、車の責任なのか、通信会社の責任なのか、クラウド会社の責任なのか、それとも所有者個人の責任なのか、という問題が生じる。原因究明を誰が担うかという問題もある。
  • 交通渋滞の例を挙げれば、1社のデータでは足りず、業界全体のデータが集まって初めて役に立つ。
  • 個別の製品については製品開発が担当し、データの活用はマーケティングが担当するであろうが、データの全体・ライフサイクル管理はIT部門が行う必要がある。
  • CIOは、目的の無いデジタル化は止めるべきである。やはり企業のビジョンをサポートするためのデジタル化でなければならない。
  • IT部門は一番初めに情報を仕入れるアンテナの役割を果たし、それを上に伝え続けて理解を得なければならない。一方で、ユーザー側が独断で始めたがうまく行かず、途中からIT部門に相談されるケースもある。しかし、守りばかりではなく、トライアンドエラーも必要である。そして、ある程度は失敗をしても良いというカルチャーを作っておくべきである。

ゲストセッション(講演/質疑)
「アナリティクスを活用した人材マネジメント事例」
(某ソフトウェアのデモと機能紹介あり)

  • 現在、欧米型経営を志向する企業では、トップタレントや最適配置のリコメンデーションを求めており、人事施策を人事データに基づいて行っていこうという流れがある。
  • 某ソフトウェアでは、個人のベースペイ、インセンティブ、メリット給、部門単位の総人件費、発展途上国の移転による人件費シミュレーション、タレント(コンピテンシー、キャリア、語学力、出張や転勤の可否)そのほかの情報を管理する。
  • 全体を俯瞰してミスマッチな人を抽出し、改善勧告を出す等の利用が可能。他方、離職防止のために、離職者の傾向を分析することも可能。離職リスクのファクターは業種等によって異なるが、例えば、プロモーションやストックオプションの状況等を使用する。外部の給与サーベイのデータを取り込み、マーケットと比較することもできる。
  • 機能の中にパーソナライズされたキャリアリコメンデーションもある。
  • データをどこまで詳細に入力するかは、例えば、チーム編成をするときにどこまでスキルセットの情報が必要かによる。つまり、その会社が人事戦略として何をしたいのかによって必要な情報は変化する。分析結果を見てどうアクションをとるかも各社の考え方による。
  • エース級の人材の傾向を見て、それに近い人をエース候補として探すことも可能。